適正在庫を保つコツ、教えます。在庫管理コラム

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第3章 適正在庫を知る方法(在庫回転期間、在庫回転率、交差比率)

在庫回転期間

在庫回転期間とは、売上に対して在庫をどのくらいの期間持っているかを調べる指標です。言い換えると、在庫を販売するためにかかる期間とも言えます。
在庫回転期間が短ければ短いほど、在庫(原材料・部品・半製品・製品・商品)がすぐに回転している(販売されている)ことをあらわし、在庫管理の効率が良いことが分かります。逆に、在庫回転期間が長ければ長いほど、過剰在庫や滞留在庫が存在している可能性をあらわし、在庫管理の効率が悪いことが分かります。
在庫回転期間を商品別に見ることで、売れ筋商品や死に筋商品を判別することもできます。

在庫回転期間の計算方法
棚卸資産 合計

= 在庫回転期間(年)
売上高(年間)

※棚卸資産とは、在庫の価値のことです。持っている在庫を金額に直すと算出できます。
※もっと厳密に計算したい場合は、売上高ではなく売上原価を使います。

理想的なのは、売上高が上がって、棚卸資産や在庫回転期間が適正であることです。

棚卸資産が多すぎると、倉庫の保管費や税金、人件費などのコストがかかりますし、売れなかった場合のリスクも増大します。とは言え、少なすぎても在庫切れが生じて、顧客の要求に応えられないケースも発生してしまいます。したかって棚卸資産は多くても少なくてもいけませんし、それは在庫回転期間も同様です。自社にとってベストな状態を設定し、それに近づく努力が必要なのです。

この取り組みを毎月継続すれば、在庫が改善されたのか、改善されていないのかを把握することができます。もし、棚卸資産を決算時しか計算しないと言う場合は、毎月の在庫数量データに製造業なら製造原価、小売業なら仕入れ金額を掛けて、在庫金額を算出してみて下さい。

在庫回転率

在庫の状態を見る指標として、在庫回転率があります。在庫回転率は、在庫が1年間に何回入れ替わっているか(回転しているか)を見ることが出来る指標です。

例えば、1年間の間に製品を作って販売したのが1回なら、在庫は1年間で1回入れ替わっていることになり、これが2回ならば1年間で2回、つまり半年に1回在庫が入れ替わっていることになります。

  • 在庫が入れ替わる=在庫がお金に変わっている
  • 在庫が入れ替わっていない=在庫がお金に変わっていない(在庫が寝ている)

つまり、在庫回転率は多いほどよいと言うことになります。

在庫回転率の計算方法
売上高(年間)

= 在庫回転率
平均在庫高

※平均在庫高=(期首在庫高+期末在庫高)÷2
で求めることができます。
例えば12月31日に棚卸をした時の期末の在庫が1500万で、
期首の在庫が1000万円だった場合、
平均在庫高=(1500万+1000万)÷2=1250万
となります。

もっと厳密に計算したい場合は、売上高ではなく売上原価を使います。また、平均在庫高は(期首在庫高+中間在庫高+期末在庫高)÷3という計算式を使う場合もありますし、季節変動を重視する場合はまた別の計算式もありますが、ここでは割愛させて頂きます。まずは一番シンプルな方法で、およその数値を把握してみて下さい。

現代は、新製品を出しても次々と新しい製品が登場する、製品の陳腐化が激しい時代です。製品の作りすぎは企業にとって大きなリスクとなるため、適正な在庫を保つ努力が必要なのです。

交差比率

交差比率とは、在庫が儲かっているのかどうかを見る指標です。

これまで、在庫回転期間では在庫を販売するためにかかる期間を、在庫回転率では在庫が何回入れ替わっているかを調へてきました。しかし、この2つだけでは儲かっているのかどうかは分かりませんよね。また、一般的に粗利益率が高い商品は数が売れないことが多いため、粗利率だけでは本当に儲かっているかどうかを判断するには不十分です。そこで、在庫回転率と掛け合わせた指標である交差比率を見ることで、効率的に儲けを生み出しているかを見るわけです。

交差比率の計算方法
在庫回転率 × 粗利益率 = 交差比率

※在庫回転率=売上高÷平均在庫高
粗利益率 =粗利益÷売上高

で求めることができます。

交差比率は、高いほど効率よく利益を生み出しているといえます。
では、具体的に数値を使って見ていきましょう。

  • 【在庫A】 在庫回転率が年間10回で、粗利益率が20%の場合、交差比率は10×20=200
  • 【在庫B】 在庫回転率が年間25回で、粗利益率が 8%の場合、交差比率は25× 8=200

このように、在庫回転率と粗利益率の数値が違った在庫でも、結果が同じになることがあります。これが交差比率の名前の由来です。次に、交差比率から適正な在庫金額を算出してみましょう。

  1. ①売上目標を設定します(例:5000万)
  2. ②交差比率の目標を設定します(例:200)
  3. ③粗利益率の目標を設定します(例:20%)
  4. ④交差比率と粗利益率から、在庫回転率を算出します。
    在庫回転率
    =交差比率÷粗利益率
    =200 ÷20
    =10
  5. ⑤売上目標と在庫回転率から、適正な在庫金額を算出します。
    在庫金額
    =売上目標÷在庫回転率
    =5000÷10
    =500万

以上、いかがでしたでしょうか?適正在庫を知る方法として、在庫回転期間、在庫回転率、交差比率をご紹介しました。自社の在庫が適正なのかどうか、ぜひ調べてみて下さいね。